”全部辞めたい”と思った夜、私は海に逃げた

毎日18時ごろになると、二人とも泣き出して止まらなくなる。

1歳と0歳の年子。

一人が泣けばもう一人も泣く。

抱っこしてもダメ。

おんぶしてもダメ。

ミルクも、おむつも、おもちゃも、全部試した。

それでも泣き止まない。

前に一人、後ろに一人。

抱っことおんぶでただひたすら部屋をぐるぐる歩き続ける。

終わりが見えない時間だった。


ある日、プツンと糸が切れた。

その時思ったのは

「もう全部辞めたい」

母親も、育児も、生活も、全部。


夫はほとんど家にいなかった。

出張も多く、やっと帰ってきても朝も夜も関係なく会社から電話。

毎日、パワハラ上司の元でクタクタになって帰ってくる。

その姿を見ていたから、自分だけ「助けて」とは言えなかった。


頼れる人は本当にいなかった。


その日私は、泣き続ける子ども二人とラルを車に乗せて家を出た。

行き先は、海。

北海道生まれ北海道育ちの私は、夫の転勤で北陸に来て知った。

車で行ける距離に、海があること。

海なら、時間を気にしなくていい。

泣いても、誰にも何も言われない。

ラルも喜ぶかもしれない。


海までの20-30分。

運転しながら、少しずつ頭が冷えていくのがわかった。

海に着く頃には、車の心地よい揺れで子どもたちは泣き止み、寝ていることも多かった。

泣き止んでいなくても、狭い部屋の中で聞くそれとは全く違って感じた。


夜の海。

ラルを膝に乗せて、ただ波の音を聞く。

何をするわけでもなく、ただ時間が過ぎるのを待つ。


あの時間が、当時の私にできる精一杯だった。


正直、怖かった。

このしんどさが、このままずっと続く気がして。

子ども達が、永遠に泣き止まない気がして。


今思えば、あの時の私は少し危なかったと思う。

もっとどうにかして誰かに頼って良かったのかもしれない。

でも

頼れる人がいない現実も、確かにあった。


もし今、

夜が怖い人

泣き声に追い詰められている人

「もう無理」と思っている人がいたら

伝えたい。


その時間は、ちゃんと終わる。


そして

今までも、しんどい日々をなんとかやり過ごしてきたあなたは、思っている以上にちゃんと頑張ってる。


あの頃の私にできたのは、夜の海に逃げることだけだった。

でも、それで良かったと思ってる。

今は、あの頃の自分に

「よくやったね」って言いたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました